転倒予防の日

2004年(平成16年)に発足した転倒予防医学研究会(現:日本転倒予防学会)によって制定されたこの日は、毎年10月10日に設けられています。なぜこの日付なのかというと、「てん(10)とう(10)」の語呂合わせから選ばれました。

転倒予防の日の主な目的は、寝たきりや介護が必要となる原因の一つである転倒や骨折を予防することです。高齢化が進む日本において、転倒は深刻な社会問題となっています。転倒による怪我は、単に身体的なダメージにとどまらず、その後の生活の質(QOL)にも大きく影響を及ぼします。

日本は世界でも有数の高齢化社会であり、転倒による怪我は高齢者にとって深刻な問題です。高齢になると、筋力の低下や関節の硬さ、視力の衰えなどが転倒のリスクを高めます。これらのリスクを把握し、予防策を講じることが、高齢者の健康維持には不可欠です。
また、転倒は一度起こると再発する可能性が高く、一度の転倒が次の転倒を呼ぶ悪循環に陥ることもあります。そのため、高齢者だけでなく、その家族や介護を担う人々にとっても、転倒予防の知識は必要不可欠なのです。

転倒の主な原因として、加齢による身体機能と認知機能の低下、病気や薬の影響、運動不足による身体機能の低下などが考えられます。

加齢に伴い身体機能が徐々に低下し、筋力、バランス能力、瞬発力、持久力、柔軟性が衰え、とっさの反射的防御動作が、すばやく力強く行えなくなります。また、自分自身の予測・期待する動作と現実の動作との間に齟齬(そご:食い違う)が生まれて転倒を引き起こすことがあります。
年を重ねると、いくつもの病気を抱え、何種類も薬を飲んでいる人も少なくありません。薬の作用・副作用によって、立ちくらみやふらつく症状が出るなどして転倒しやすい状態になっている場合がありますので、薬の種類と量を、主治医と薬剤師に相談しましょう。
さらに、自宅で閉じこもりがちになると、日常的な身体活動が減少して、運動機能や感覚機能が弱まり、転倒のリスクが高まります。日頃から可能な限り体を動かし、身体機能の維持に努めましょう。

令和2年人口動態調査(厚生労働省)によると、高齢者の「交通事故」による死亡者数が2,199人に対して、「転倒・転落・墜落」による死亡者数は8,851人でした。

高齢者の「転倒・転落・墜落」による死亡者数は「交通事故」による死亡者数の約4倍です。

後期高齢者では前期高齢者の2.2倍にもなっています。また、8割以上の方が通院や入院が必要なけがを負っていました。

転倒によるけがは「頭」「顔・首」の「擦過傷、挫傷、打撲傷」が多くなっていますが、次いで「脚・足」の「骨折」も多く、骨折をした場合は要入院となる高齢者が76%に上るなど、転倒事故によって深刻な状況を引き起こすことが分かりました

加齢に伴って、日常生活の中にも転倒事故のきっかけとなる危険性が発生してきます。住み慣れた自宅であっても、転倒予防のために以下のような点に注意しましょう。
1. 個人に合った適度な運動を続け、体の機能の低下を防ぎましょう。
2. 浴室や脱衣所には、滑り止めマットを敷きましょう。
3. 寝起きや夜間のトイレなどで、ベッドから起き上がるときや体勢を変えるときは慎重にしましょう。
4. 段差のあるところや階段、玄関には、手すりや滑り止めを設置しましょう。
5. 電源コードが通り道にこないように、電気製品を置きましょう。

家に引きこもりきりでは筋力・気力が低下する一方です。
積極的に外出することも転倒防止には重要です

我々デイサービスセンター1・2の3では、機能訓練や家で出来る簡単な運動の指導などを行っております。
少しでも皆様方の生活の質の向上に繋がればと考えております
是非、お手伝いさせてください