富山県で本来生息していない「市街地」などでクマ出没

富山県内でクマによる人への被害が相次ぐなか、ことし、23日までに寄せられた出没情報の7割余りが、クマが本来生息していない市街地などで確認されたことが富山県のまとめで分かりました。

富山県内のクマの出没件数は、今月は23日までに165件と去年10月の1か月分の7倍余りに急増しています。

ことしは、23日までに5人がクマに襲われ、このうち今月17日には富山市の住宅の敷地内で79歳の女性が死亡しました。

富山県はクマが出没した地域について、
▽クマが生息する「奥山」、
▽人間の活動があり、クマが生息する「山間地の集落周辺」など、
そして、
▽人間の活動が活発で、クマが本来生息していない「市街地」などの3つのゾーンで区分して分析しているようです。

その結果、23日までに寄せられたおよそ360件の出没情報のうち、74%がクマが本来生息していない「市街地」などで確認されたことが分かったそうです。

また富山市によると、市内では同じ期間の出没情報の79%が「市街地」などで確認され、今月襲われた3人が被害にあったのはいずれも「市街地」などだったということです。

ことしはブナの実などが不作となり、冬眠を前にしたクマがエサを求めて平野部に出没するケースが相次いでいるようです。

富山県は「川沿いの地域を中心にクマの行動範囲が市街地まで広がっていて、危険な状況だ。どこで出没してもおかしくないという意識を持って警戒してほしい」と話しているようです。

山間部だけでなく、市街地の方も、気を抜かず、警戒を怠らず日常生活を送っていく必要がありそうですね。