尊厳を支える

当デイサ-ビス 1・2 の 3 は、機能訓練を中心としたデイサ-ビスの為、他の介護保険施設やグループホーム等に比べ平均要介護度が低い方が多いデイサービスです。

身体介護も比較的少なく、故に新規でいらした時は排泄が自立していらっしゃる方が殆どです。しかし、長年利用されている間に 様々な理由で自立した排泄ができなくなる方もいらっしゃいます。

人生 初めて紙パンツを履いた。
人生 初めて尿(便)を漏らした。
人生 初めて他人に排泄物を見られた。

人生 初めて下の世話になった・・・
介護の世界で 排泄は『尊厳の砦』と言われています。排泄の失敗は、その方の生活意欲に大きなダメージを与えがちです。その砦を初めて崩す、崩してしまう、崩れないように必死にもがいているご本人と向き合う、という場面がデイサービスでは多いように感じます。

グループホームや特養では、尊厳の砦に他人として“最初”に触れる機会は少ないのではないでしょうか。その尊厳の砦に、他人である私たち介護職が“最初に”どのようにして向き合っていくことが 利用者さんの「尊厳を支えられる」のか。

高齢者、要介護者はリハパン、オムツ、パットが当たり前かもしれませんが、それを受け入れる時のご本人、受け入れられないご本人、そして家族。。。
それらに私たちはいかに介護専門職として関わっていくか。
本当に難しく、絶対的な正解が無い瞬間だと思います。

大切なのは、ご本人の”自尊心を尊重”し、一緒に住むご家族や周囲の人、その相互作用を見極めながら働きかけていくことが大切だと思います。そして、事業所では 職員共通な『尊厳を支える』気持ちを確かめ合い 利用者様の”生活の質”を向上出来るよう 日々話し合いを重ねていく事が大事だと思います。

私の両親も歳を重ね、会うたびに老いていく姿を見て あらためて看護学校で学んだ『尊厳』というものに向き合ってみました。「ありがとう」と言われる介護の世界。本当の意味の『ありがとう』が頂けるよう努めたいと思います。

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